ASEAN RYOKO No.46「やばい、タイの家計債務上昇!」
ASEAN RYOKO
タイでは若者を中心にiPhoneなど高額な携帯電話(スマホ)が人気です。
また、ピックアップトラックの比率は高いものの、乗用車も庶民の間に普及しています。
なぜタイ人の所得で高額なものを買えるのか、いつも不思議に思っていました。確かに夫婦共働きの家庭が多いですが、二人分の給料を合わせても先進国のレベルにはなりません。
それでは、なぜ高額な商品を買えるのでしょうか?
それは借金(ローン)です。
頭金なしか、少ない頭金で長期ローンを組んで、まずは商品を手に入れるのです。
「ローンが払えなくなったら、手放せばいいや・・・」なんて軽く考えているふしがあります。
タイ中央銀行によれば、今年第2四半期における家計債務のGDP比は約84%で、第1四半期の83%から微増しました。タイで家計債務の膨張が始まったのは2011年の記録的大洪水以降。
この年60%だった家計債務のGDP比は2013年末に80%を超えました。
統計以外のヤミ金融からの借金を含めると100%を上回るとの指摘もあります。
今、タイは不景気で所得環境の改善は来年も進まないと思われます。
ローンの世帯収入に対する返済比率は、今のところ3割台にとどまっていますが、これが4割を超えた時点で借金返済のために借金を繰り返す多重債務状態に陥ります。
さて、クーデター後にできた軍事政権(プラユット政権)は、前インラック政権の負の遺産にどう対処しいていくのか?
来年もタイ経済は厳しい環境に置かれるのは間違いありません。
サバイ、サバーイ、マイペンラーイだけで乗り切れる訳ないやろ!
以上
2014年12月1日(月) 長井