ものづくりQ&A <35> 「熱処理とは?その3」
ものづくりQ&A
今回は「焼入れ」についてご紹介致します。
焼入れとは、均一なオーステナイト中へ炭化物を固溶させたのち急冷を行い、硬いマルテンサイト組織にする処理です。
得られる硬さは鋼種によって異なり、また、冷却速度によっても異なります。
焼入れで重要なポイントは加熱よりもむしろ冷却と言われています。
図2は加熱・冷却における作業図を示したもので、550℃程度の臨界区域は速く、マルテンサイト変態が生ずる温度以下の危険区域はゆっくりと冷却する。この操作によって硬く、割れずひずみが少ない処理が可能になります。
尚、焼入れの種類には次のようなものがあります。
(1) 水焼入れ (2)油焼入れ (3)空気焼入れ (4)噴射焼入れ
(5)熱浴焼入れ (6)プレス焼入れ (7)時間焼入れ (8)階段焼入れ
(9) 等温焼入れ
参考文献
1)、2)日本熱処理技術協会編;熱処理ガイドブック、大河出版(1983) P117