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高圧ガス保安法

お客さまの困った、困った

バルブメーカーの方がよく言われるのが「KHK(高圧ガス保安法)の方の判断が地域によって違う。」という言葉です。

この度お客さまからご依頼を受けた“液化ブタジエン”の仕様条件に対し2社のメーカー様より同じようなお問合せがございました。

まずは仕様条件をご覧下さい。

仕様条件
1.取扱条件 ブタジエン(可燃性 液化石油ガス)
2.設計圧力 981KPa
3.設計温度 100℃

ここでメーカーの方からご指摘があったのが圧力と温度の関係で「温度が100℃あったのでは流体はガス化します。設計圧力を1MPa に変更して下さい。」でした。

少し長くなりますが、「高圧ガス保安法」の条文を抜粋しますのでご覧ください。

(高圧ガス保安法)
第一条 総則
第二条 この法律で「高圧ガス」とは、次の各号のいずれかの該当するものをいう。
一 常用の温度において圧力(ゲージ圧力をいう。以下同じ。)が1メガパスカル以上となる圧縮ガスであって現にその圧力が1メガパスカル以であるもの又は温度が35度において圧力1メガパスカル以上となる圧縮ガス(圧縮アセチレンガスを除く)
二 省略
三 常用の温度において圧力が0.2メガパスカル以上となる液化ガスであって現にその圧力が0.2 メガパスカル以上であるもの又は圧力が0.2 メガパスカルとなる場合の温度が35 度以下である液化ガス。

元々1MPaにもなる流体ではないという内容ですが、まず直接この内容をお客さまからメーカーの方に電話でご説明して頂きました。

しかし、中々ご理解頂けないため(私も含め)、上記条文を抜粋して頂いたメールをしてようやくご理解いただきました。

そしてまた、その後2カ月後、同様の内容の案件で2社目のメーカーの方からKHK の方が納得して頂けないという連絡を受けました。今度は納期もないので「仕様条件」を「1MPa に修正して頂くこととなりました。

かつて圧力表示が「MPa」に移行される時に「10kgf/㎠ = 0.981MPa」となっているのですから検査機関の方が敢えて「そこ」を直すように指示されるのは如何なものかと思いますね。

今回は少しボヤキとなってしまいました。
私も「困った、困った」でした。