今、”音楽を聴く儀式”に注目が
アナログレコード
最近、世界的にアナログのレコードに注目が集まっています。
英国や米国ではレコードの売上がCDを上回ったとニュースで知りました。
また、カセットテープも注目されていて、いわゆるラジカセがお洒落だと、中古品を扱う専門ショップも東京にはあるようです。にわかに信じられない現象ですが、レコード自体知らない若者に受けているとのこと。
しかし、懐古趣味ということではく、ネットによる音楽配信(サブスク)等便利な世界が当たり前の世代にとってアナログ的な面倒くさい世界は新鮮なのではないでしょうか?
音楽を聴く儀式
「音楽を聴く儀式」、実は今から10年以上前に私が書いたコラムのタイトルです。その一部を抜粋してご紹介します。
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そのように苦労して手に入れたレコードですから、聴き方も今とはずいぶん違います。
今思えばそれはひとつの「儀式」のようでした。
① まず、ジャケットをしげしげと眺める。(表・裏・中表紙)
② ライナーノーツ(解説)を隅々まで読む。(頭に知識を叩き込む)
③ ジャケットの横に歌詞カードを置く。(英語なので訳詩は必需品)
~ここまでは聴くための準備の準備~
④ 次におもむろにレコードを引き出し、静電気除去スプレーを吹きつけ、クリーナーで
ていねいにホコリを拭き取ります。(雑音防止作業とともにレコードに思いを入れる)
⑤ そして、プレーヤーのターンテーブルにそっと置きます。
~ようやく準備完了~
⑦ 全神経を集中させる。
⑧ プチ、ガガガ、ジャーンといった感じで音が出る。緊張の瞬間から開放された感覚へ。
当然、A面が終わるとB面にひっくり返し最後まで聴き通すことが基本。
この時間がかかる一連の「儀式」が面倒くさくても当時の私にとっては必要だったのです。
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便利か、不便か
「徹底的に無駄を排除して効率化する」、「ロボットやAIが人間に取って代わる」・・・、確かにそうしてきたことで仕事や生活環境は良くなりました。
でも、たまには不便この上ないことも大切なのではと思います。
ある意味、便利と不便のバランス感覚が求められているのかも知れませんね。
すみません、昭和人間の戯言です。ご勘弁を(笑)
(2021年11月16日:長井)